初診時の検査の流れと主な検査

多発性骨髄腫の診断と治療方針を決めるためには何種類かの検査があります。
まずは、血液検査・尿検査、骨髄検査が行われます。多発性骨髄腫と診断されたら、X線やCTなどの画像検査で全身の骨の状態を調べます。

  • STEP01

    血液検査・尿検査

    血液検査:

    造血機能の障害とMタンパクの存在、
    予後因子の有無を確認

    尿検査:

    尿中のMタンパクと腎機能を検査

    ※予後因子:病気の経過を予測する因子

  • STEP02

    骨髄検査

    骨髄腫細胞の存在を確認
    (確定診断)

  • STEP03

    画像検査

    骨の状態を確認

【参考資料】
  • 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター 編集:がんの冊子 各種がんシリーズ 多発性骨髄腫, 2012.
  • 血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫, 講談社, 2015.
STEP01

血液検査・尿検査

血液検査で造血機能の障害とMタンパクの存在、予後因子の有無を確認

血液検査

血液検査では、造血機能の障害を確認するために、血液中の白血球、赤血球、血小板などに異常がないかを調べます。また、血清中のMタンパクの存在を確認します。

Mタンパク

Mタンパクは、骨髄腫細胞が産生する役に立たない抗体(タンパク)のことです。通常の抗体には病原体から身を守るはたらき(免疫)があるのですが、Mタンパクにはその機能がありません。
Mタンパクが臓器に沈着すると臓器の機能が低下します。その主なものは腎機能低下で、むくみやタンパク尿などがみられます。さらに、正常な機能を持つ抗体が作られないため、免疫機能の低下も認められます。

予後因子

予後因子の有無により、病期(病気の進行の程度)を決定します。

血液検査によるMタンパクの検出

血液検査によるMタンパクの検出
【参考資料】
  • 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター 編集:がんの冊子 各種がんシリーズ 多発性骨髄腫, 2012.
  • 血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫, 講談社, 2015.

尿検査で尿中のMタンパクと
腎機能を検査

尿検査で尿中のMタンパクと腎機能を検査

尿中のMタンパク

多発性骨髄腫ではベンスジョーンズタンパク(BJP)という特殊なMタンパクが尿中に排出されるため、その有無を調べます。

腎機能の検査

腎機能を調べるために、24時間の尿をすべて集める検査が行われます。

【参考資料】
  • 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター 編集:がんの冊子 各種がんシリーズ 多発性骨髄腫, 2012.
  • 血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫, 講談社, 2015.

STEP02

骨髄検査

骨髄検査で骨髄腫細胞の存在を確認

多発性骨髄腫の可能性が高いと判断された場合、確定診断のために行われます。骨髄液もしくは骨髄組織を採取し、顕微鏡で骨髄腫細胞の存在を確認します。
また、骨髄腫細胞の表面マーカーの検査では、腫瘍細胞の種類と成熟度について調べます。
さらに、悪性度を調べるために、染色体検査も行われます。

※表面マーカー:腫瘍の存在や特徴となる印

骨髄検査で骨髄腫細胞の存在を確認
【参考資料】
  • 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター 編集:がんの冊子 各種がんシリーズ 多発性骨髄腫, 2012.
  • 血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫, 講談社, 2015.

STEP03

画像検査

画像検査で骨の状態を検査

全身の骨の状態を調べるために、画像検査が行われます。最も一般的な検査はX線検査であり、多発性骨髄腫にみられる頭蓋骨などにある円形の穴(抜き打ち像)や病的な骨折の有無を調べます。

最近では、CTなどの画像検査が行われ、小さな病変や骨髄腫細胞の広がりについて詳細に調べることができるようになり、治療開始を決定する基準のひとつとなっています1)

1)日本骨髄腫学会 編:多発性骨髄腫の診療指針第4版, 文光堂, 2016.

線検査:頭蓋骨の抜き打ち像

X線検査:頭蓋骨の抜き打ち像

線検査:頭蓋骨の抜き打ち像
日本血液学会 日本リンパ網内系学会編:
造血器腫瘍取扱い規約 第1版, P173, 金原出版, 2010. より引用