多発性骨髄腫が発見されるきっかけ

定期健診による場合

明確な症状はみられないものの、定期健診などで血液や尿の異常、腎や臓器の障害などにより発見されます。

自覚症状による場合

腰背部痛や肋骨の痛み、動悸や息切れなどの貧血症状、腎障害によるむくみなどの症状がきっかけで受診し、精密検査で発見されます(高齢者に多い)。

定期健診による場合
閉じる

主な症状1

骨痛

骨髄腫細胞が骨を壊す細胞を活発にするため、骨痛が起こります。骨痛の訴えが多い部位は、腰部、背部、胸部、手足などです。最も多い部位は腰部で、腰痛を訴える患者さんが多くみられます。

骨の異常や病気(骨病変)

  • 圧迫骨折(腰痛・背部痛)

  • 骨粗鬆症

  • 頭部X線の抜き打ち像(丸い穴のような所見)

  • 易骨折性(骨折しやすい状態)

骨痛

【参考資料】
  • 血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫, 講談社, 2015.
  • 新がん化学療法ベスト・プラクティス, 照林社, 2012.
閉じる

主な症状2

貧血

骨髄腫細胞が存在すると、血液の細胞がうまく造られなくなります。そのため、貧血が起こります。貧血が悪化すると、動悸や息切れ、頭痛のほか、全身の倦怠感が強くなります。

貧血の症状

  • 頭痛

  • 息切れ

  • 動悸

  • 易疲労感(疲れやすい状態)

貧血

【参考資料】
  • 血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫, 講談社, 2015.
  • 新がん化学療法ベスト・プラクティス, 照林社, 2012.
閉じる

主な症状3

腎障害・高カルシウム血症

腎障害

骨髄腫細胞が作るMタンパクにより、尿細管がつまったり、尿細管の細胞が変性することで腎臓に障害が起こる「骨髄腫腎」が多くみられます。また、腎不全の原因を調べる過程で多発性骨髄腫が診断されることもあります。

  • タンパク尿

  • むくみ

高カルシウム血症

骨髄腫細胞により骨を壊す細胞が活発になるため、骨の中のカルシウムが血液中に溶け出し、多飲、多尿、口渇、便秘、悪心・嘔吐、意識障害などの症状があらわれます。

  • 多飲

  • 多尿

  • 口渇

  • 便秘

  • 悪心・嘔吐

  • 意識障害

【参考資料】
  • 血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫, 講談社, 2015.
  • 新がん化学療法ベスト・プラクティス, 照林社, 2012.
閉じる

主な症状4

易感染性、神経症状、過粘稠度症候群

易感染性(細菌やウイルスなどに感染しやすい状態)

骨髄腫細胞が免疫細胞の生育を邪魔したり、正常な免疫グロブリンが減少するため、細菌やウイルスなどに感染しやすくなります。肺炎球菌やインフルエンザ菌などにより、呼吸器感染症などが繰り返しあらわれます。

神経症状

  • 脊椎に生じた腫瘤や圧迫骨折による脊髄圧迫により麻痺が起こります。

  • Mタンパクの変性によって生じたアミロイド沈着により末梢神経障害、
    心臓や腎臓、胃腸などの異常が起こります。

  • 高カルシウム血症により意識障害が起こります。

その他

骨髄腫細胞がつくるMタンパクにより、血液がドロドロになる(過粘稠度症候群)ため、血流障害が起こります。口腔内出血、鼻出血、視力障害、頭痛、めまい、意識混濁などの症状があらわれます。

※アミロイド:ある特定の構造をもつ水に溶けない線維状のタンパク

易感染性、神経症状、過粘稠度症候群

【参考資料】
  • 血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫, 講談社, 2015.
  • 新がん化学療法ベスト・プラクティス, 照林社, 2012.